韓国の全羅南道(ジョンラナンド)に行ったことはありますか?南部は山や川、リアス式海岸、海に浮かぶ島々など都市部とは違った自然の魅力ある観光地がたくさんあります。
でも韓国の南部といったら山や自然ばかりで子連れで旅行に行くにはどうなんだろう?と思ったことありませんか?でも全羅南道の谷城(コクソン)という所にの子連れで1日中楽しめちゃう人気のテーマパークがあるんです!
それは「コクソンソムジンガン汽車マウル」という所です。今回は実際に子連れで行ってみた感想と魅力を詳しく紹介します!
谷城汽車マウルってどんな所?
谷城汽車マウルは、正式には「谷城蟾津江(コクソンソムジンガン)汽車マウル」という名前で、全羅南道(ジョンラナンド)の谷城(コクソン)群という場所にあります。近くに蟾津江(ソムジンガン)という大きな川が流れているため「ソムジンガン汽車マウル」とも言います。「マウル」というのは韓国語で「村」という意味です。
汽車マウルへの行き方
具体的に韓国のどの辺りかというと、下の地図で韓国の南部の左下に位置しています。
ソウルからは列車や高速バスに乗ると約3時間。ソウル方面からはKTXや以前紹介した観光列車「S-Train」、直行の高速バスが出ていて便利です。
釜山方面からは車で約3〜4時間です。直行の列車やバスが無いため、韓国南部のターミナル駅である「スンチョン(順天)」という所で谷城への列車やバスに乗り換えることができます。釜山からも「S-Train」が出ているのでスンチョンまで行くことができます。スンチョンから列車を乗り換えると、約30分で谷城駅に着きます。
上の写真は旧谷城駅で汽車マウルの正門となっている場所です。列車で谷城駅を利用する場合は、こことは別の新駅舎である谷城駅を利用して来ます。写真を撮ったのはちょうど韓国のお盆「チュソク」の連休中だったので、いつもより人が多くイベントの垂れ幕が出ていました。
正門は緑の山々に囲まれた景色の中に、木造で作られた白い駅舎があるのでとても趣があり、文字を見なかったら日本にもありそうな懐かしさも感じられました。実はこの旧駅舎は、1933年に建てられたもので文化財に登録されているんです。現在はこのように汽車マウルの顔としてだけでなく映画などの撮影にも使われたりしています。
車で汽車マウルに向かった場合は、正門付近に駐車場が2ヶ所あり、後門方面に1ヶ所駐車場があります。下の写真は第1駐車場のある後門。
第1駐車場は広いので、できるだけこの後門の入り口付近に停めるようにするとたくさん歩かなくて済みますよ。
汽車マウルの入場券を買って入場!
正門から入る場合は駅舎の左側にチケット売り場があります。第1駐車場のある後門から入る場合は先ほどの写真にあるように、入口の右側にチケット売り場があるので、まずは入場券を買います。
大人 | 5,000₩(約455円) |
小人:48か月~満12歳以下 高齢者:満65歳以上 |
4,500₩(約410円) |
*有料入場のお客様には谷城沈清(コクソンシムチョン)商品券2,000₩(約182円)を1人当たり1枚支給。
この谷城沈清(コクソンシムチョン)商品券は、有効期限が発行日から5年。この汽車マウルの施設内で現金として使えるだけではなく、谷城群にある加盟店ならどこでも(商店街、スーパー、レストランなどで)使用することができます。
汽車をテーマにしたテーマパークということですが、遊園地だけではなく結構広くて整ったバラ園や複数のステージ広場、4D映像館、伝統工芸や学習体験施設などもあります。
また谷城駅周辺は山に囲まれ地域ではありますが、少し開けた場所のため圧迫感がなく空が広く見えてとても気持ちがいいんです!
汽車マウル内には、上の写真に写っているレールのようなものがあるところをレールバイクという自転車の乗り物で園内を1周できるものや園内を1周するミニ蒸気機関車、そして園内にある駅から本物の蒸気機関車に乗って他の駅に行くこともできます。
そんなわけで事前に計画を立てずに私たちは行ってみましたが、蒸気機関車に乗る場合は事前予約をしたり、人気があるためあらかじめ切符を切符売り場で買ったりしないとなので、乗りたい場合は事前に汽車マウルのホームページで時間や空席を調べたり、入場券を買う時に蒸気機関車の座席に空きがあるかどうか聞いてみる必要があります。
汽車マウルの遊びどころ
汽車マウルの営業時間は9:30~18:00。私たちは汽車マウルに13時半ころに到着し入場しました。汽車マウル内は下の図のようになっていますが、そんなに広くもなく狭くもなく子どもと1日遊ぶのにちょうどよい広さといった感じでした。午後に到着した私たちは、遊園地がある「ドリームランド」を中心に遊んできました。
休日に家族連れでにぎわっているのは、やはり「ドリームランド」、その周辺にある「動物農場」、鬼をテーマにした施設の「ヨスルランド」ですね。園内は自然も多いので、春の花が咲く季節や紅葉の秋にはまた景色や雰囲気がガラリと変わるので1年を通して楽しめるのではないかなと感じました。
この汽車マウルが1年の内で1番盛り上がる季節は、「世界谷城バラ祭り」が行われる5月です。園内には特産物のマーケットや露店が並び、バラ祭りの期間は有名歌手のコンサートもあるのでたくさんの観光客で賑わいます。混雑しているとは思いますが、バラ公園が1番美しい時にぜひ訪れてみたいですね。
子連れはやっぱり遊園地
子どもたちのお目当ては遊園地の乗り物。さっそく「ドリームランド」へ向かいました。しかし、園内の乗り物に乗るにはチケットを買わなければなりません。チケット売り場はドリームランド内の中心に2か所ありました。
園内の乗り物は全部で11個。ひとつはお化け屋敷なので乗り物自体は10個です。一般料金と団体料金がありますが、一般料金は以下のように記載されています。
チケット料金 | 大人 | 子ども(25か月~小学生まで) |
1回券 | 3,500₩(約318円) | 3,000₩(約273円) |
3回券 | 9,500₩(約865円) | 8,000₩(約728円) |
5回券 | 14,000₩(約1,275円) | 12,000₩(約1,093円) |
7回券 | 18,500₩(約1,685円) | 16,000₩(約1,457円) |
*5歳以下の子どもは全乗り物保護者同伴で乗車しなければなりません。
*1枚のチケットを2人以上で使用してはいけません。
このような料金になっていて、フリーパスみたいなものは無いんですよね。全て乗るにはチケットを何回か買わないとなので面倒です。チケットは入場する時にもらった商品券でも買えますし、現金やカードでも購入できます。
どんな乗り物があるのかというと、
- バイキング
- ダンシングクイーン
- 電子戦闘機
- 大観覧車
- メリーゴーランド
- 天使ブランコ
- ミュージックエクスプレス
- スウィンガー
- オクトパス
- お化けの家
乗り物は絶叫系では全くなく、小学生が楽しめるレベルのものです。私たちは5回券を買って乗りましたが、全部で10個しか乗り物が無いので5回券でも十分楽しめました。3歳の娘も5個乗れるものに乗ったので大満足でした。幼児にも楽しめる乗り物が多いので遊園地デビューにもおすすめです。
私たちが訪れたのは韓国で1番大きな行事であるお盆のチュソクの連休。しかも田舎なので遊ぶところも少なく人がテーマパークに集中して混雑しているのではないかと、無計画ではありますが多少意気込んで行きました。
が、写真をご覧の通りやっぱり都会の人ごみとは違って、ここは程よい賑わいという感じで、ドリームランドの乗り物は全て待たずにサクサク乗車できました。平日に訪れたらほぼ貸し切り状態になるのでは?と思います。
ドリームランドの手前には「音楽噴水」という1時間おきに音楽に合わせて噴水が出る場所があります。ただ鑑賞するだけでなく、子どもたちが水遊びもできるようになっているので、夏場にはここで水遊びまで楽しめちゃいます。くれぐれも着替えとタオルは忘れずに。
動物にエサをあげられる動物農場
ドリームランドの隣にある動物農場では、ウサギ、鹿、羊、ヤギ、リスなどの小動物にエサをあげる体験ができます。動物農場に入ってすぐ右側に動物のエサを売っている売店があるので、一つ1,000₩(約90円)で買ってあげられます。
私たちが行った日は人参のエサでビニール袋に10本ほど入っていました。エサは1種類しかないようで、いろいろな動物に人参をあげて回っていると、あっという間に一袋無くなってしまいました。
かわいい小動物たちに交じってなぜかダチョウがいました。ダチョウにも人参をあげていいのか迷いましたが、結構大きくて怖かったので手前にあるかごに人参を置くと、首をニョキっと出して食べていました。ダチョウにエサをあげる体験はなかなかできないなと思いました(笑)
広くはないエリアですが、動物の種類が意外と多く、動物に直接エサをあげられるので小さな子どもはすごく楽しめる所だと感じました。ウサギがたくさんいたので直接動物に触れられたらもっといいのになと少し残念でした。
鬼をテーマにしたヨスルランド
鬼がテーマとなっていて何だか怖い所なのかなと思ってしまいますが、そんなことはなく広大な敷地の一番奥に金棒を持った丸太?の建物(鬼や妖怪などの展示や不思議な科学遊び)、カフェ、子どもが遊べる公園があり、子連れでここだけ来ても十分に遊ぶことができる場所です。
金棒を持った丸太の施設内は、科学館のようになっていて幼児から小学生向けに、この周辺地域に伝わる鬼についての話などが展示してありました。2階には目の錯覚を利用した不思議な遊びやフォトゾーンなどがあり、さらっと回って30分ほど過ごせる所でした。
天気が良かったら、ヨスルランドにある公園で遊ぶ方が気持ちがいいかもしれないですね。小さな子どもが体を動かして遊ぶにはとてもいい公園だと思いました。公園はこんな感じでユニークなデザインの遊びがいっぱい。
ざっと回っただけなのでもう少しゆっくり見れば、もっと面白い仕掛けまではいきませんがユニークな遊具など発見できるかもしれません。
またこのエリアには人気の「VR体験館」や「4D映像館」、室内の遊具施設「チッチップップッノリト」などの室内施設があります。ただし、「VR体験館」と「4D映像館」は今のところ週末と祝日のみの運営ですが、先着順で無料で体験できます。夏の暑い日や冬の寒い日に屋外だけで過ごすのは厳しいので、無料で室内で遊べるスペースが複数あるのはすごくコスパがいいですね!
機関車の形をしているのは「チッチップップッノリト」。写真を撮ったのは偶然にもちょうど午後4時の時。大きな汽笛の音と共に蒸気が煙突から噴き出ていました!
よく見ると看板があって、午前10時から午後5時の1時間おきに汽笛が鳴って蒸気が出るので、心臓が弱い方や妊婦の方はご注意くださいと書いてありました。赤ちゃんや小さな子どももびっくりするくらい音がでかいので注意してくださいね。
疲れたら一休みできる所
園内には何箇所も上の写真のような売店やカフェがあります。喉乾いたり疲れたりしたら、売店の周辺にある座席やベンチでおやつを食べて一休み。
軽食系はチュロス、アイスクリーム、串に刺さったソーセージ、お菓子、カップラーメンなどなど。5,000₩(約450円)前後で色々売ってます。私たちは売店のおやつや飲み物に、入場時にもらった商品券を使いました。
がっつり食事をしたい場合は、駐車場方面に「1004列車食堂」という列車の中で食事ができる食堂があります。今回は利用できませんでしたが、次回は朝から行ってそちらで食事をしてみたいなと思いました。
または、正門を出て外の食堂に行ってみてもいいですね。汽車マウルは入場券を見せれば何度も再入場ができます。
行く時の対策と持ち物
谷城汽車マウルは山々に囲まれていますが、少し開けた場所のため日陰が少なく、夏場などの日中は日差しが強いため、紫外線と暑さ対策が必要です。できるだけパラソルや屋根のあるところや木陰を歩くようにした方がいいと思います。
日差しがよく当たるせいか園内には至る所にベンチがあり、屋根付きの休める場所もたくさんあったのが印象的でした。
子連れが多い場所ですが、ベビーカーの貸し出しや案内はありませんでした。園内にはベビーカーを押している家族連れもたくさん見かけましたが、特にベビーカー置き場や停めて置くスペースなどもありませんでした。今後もっと混雑するようになったら変わっていくのだろうなと思います。
ベビーカーで園内を歩いている人を見ると、道が石畳になっている部分があるのでガタガタベビーカーが揺れて不便そうでした。また園内のレールバイクや機関車の線路を渡ったりもするので、タイヤがハマってしまったり段差のある場所もあるので注意が必要です。
赤ちゃん連れの場合は、後門方面にあるバラ公園の方と正門の方の2ヶ所に授乳室があるので、あらかじめ位置を把握しておくといいですね。バラ公園の方にある授乳室は、古い列車を改装したもののようで、中に入ってみると冷房が効いておらず授乳するには暑いだろうなと感じました。
施設自体はいいのに管理していないのか、ただあるだけという感じがして残念な授乳室でした。もし利用するなら正門にある授乳室の方が普通ですが快適かなと思いました。
また園内には大きな広場やステージがいくつかあるのですが、たまにイベントが開催されているようです。私が訪れたチュソクの連休はシャボン玉ショーや風船ショーが行われていました。
事前に知っていたら時間を合わせて行動できましたが、今回は到着してから知ったので遊園地に直行しイベントは諦めました。そのため、汽車マウルに行く時に余裕があったら、汽車マウルのホームページで何かやっていないか見てみると計画が立てやすいですよ。
汽車マウルに訪れる観光客の多くは、上の写真の蒸気機関車やレールバイクに乗りたいという人が多いようです。そのためこの2つを利用する時は、事前に予約しておくか入場時に確認しておくと安心ですね。
蒸気機関車は人気があるので休日だと希望の時間に乗れなかったり乗車券が売り切れてしまう場合があります。園内を走るレールバイクも台数に限りがあるので、混んでいると並んで待つ場合があります。しかしバラ祭りが開催される時期や週末、祝日以外は、観光客は少なく園内も空いていると考えられます。
まとめ
小さな子ども連れで1日中楽しめる全羅南道の「谷城蟾津江(コクソンソムジンガン)汽車マウル」を紹介しましたがいかがでしたか?
実は私は9年前にここに1度訪れたことがあるんです。当時の汽車マウルはまだ発展途上という状況で、整備されていない野原に遊園地の器具がいくつか置かれてありました。旧駅舎の正門付近は現在と同じように列車の展示があり、その他は簡易な庭園があるだけでしたね。
このような初期の汽車マウルを知っていたので、今回9年ぶりに行ってみたら随分変わっていて驚きました。園内がきれいに整備されただけでなく、観光地や学習体験ができる場所として地域に貢献する施設に成長していました。2016年には韓国映画の「哭声(コクソン)」のロケ地にもなり話題にもなりました。
また汽車マウル周辺にも旧鉄道線路を利用した5キロのレールバイク、ソムジンガン上のジップライン、パラグライダーなどのレジャー施設も増え、キャンプ場やおしゃれなペンションなどもここ数年で増えてきています。
1度訪れるだけでなく、何度も遊びに来たくなるような場所になっていく谷城を今後も見守っていきたいと思います。
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