除夜の鐘の回数は107回?意味は何か時間は何時からか子供向けに解説!

大晦日の風物詩の一つである除夜の鐘。年明け頃になると鳴り響きなんとも言えない風情を感じます。でも除夜の鐘の本当の意味ってあまり知らない人も多いのでは?

除夜の鐘をつくのは107回とは本当なのか、時間は何時からつくのか、そして除夜の鐘の意味は何か、これらを子供でも分かるように解説したいと思います!


除夜の鐘の回数って107回なの?

Wikipediaによると除夜の鐘とは、12月31日の大晦日の0時をはさんで鳴らす鐘のことを言い、多くの寺院では108回鐘を鳴らすとあります。

また、除夜の鐘の正式な鳴らし方は、年内に107回、年が明けたら最後の108回目をつくのが一般的です。そのため、大晦日の内に鳴らす鐘の回数は107回ということになりますね。除夜の鐘を鳴らす合計回数は108回となっていますが、ではなぜ108回なのでしょうか?

108回の意味

仏教において「108」という数には、色んな解釈があるようで明確ではありませんが、大きく3つの説があります。

108の3つの解釈とは

  1. 人間の煩悩の数
  2. 1年間の数
  3. 四苦八苦の語呂合わせ

この3つの説が有力だということですが、それぞれどんな解釈があるのか詳しく見ていきたいと思います。

1.人間の煩悩の数

人間には昔から「煩悩」があると言われてきました。煩悩とは、人を悩ませたり、煩わせたりする心の働きを言います。以下の動画で煩悩がわかりやすく説明されています。

人には代表的な煩悩「欲・怒り・愚痴」の3つ(三毒煩悩)があります。私たちは日々無意識にこれらの煩悩に振り回されて生きているのです。先の文学者も言っていた通り、生きることはどれだけ苦しいことなのかを思い知りますね。

でも私たちを苦しめている煩悩が何かがわかったら、気が楽になり幸せな日々を過ごせるヒントになるのではないでしょうか。話は逸れましたが、そのような煩悩は108個あるというのです。

108個の煩悩は、上のように人間の器官や感覚をかけて出したものであるという説があります。

6(目・耳・鼻・口・体・心)×3(好き・嫌い・どっちでも)×2(綺麗・汚い)×3(過去・現在・未来)=108

人間が持つ欲や怒りなどは、すべて6つの感覚器官である六根からもたらされ、それらが感じとる感覚からくる36個の煩悩に、過去、現在、未来の3つの時間軸をかけて108ということです。

また、九十八随眠(ずいめん)と十纏(てん)という煩悩があり、それらの和として108個の煩悩があるとされる説もあります。

九十八随眠(世の中の苦しみの原因になること)+十纏(その原因を受け取る心)=108

このように「108の煩悩」は表し方に違いがあるものの、心身を悩まし煩わすものを意味していて、仏教によると、これらの煩悩は減ることもなく、無くなることもないとのことです。残念な現実ですが、それを知ったうえで生きて行動すれば、理想の自分に近づけるという希望が見えてきます。

2.1年間の数

1年間の数って何の数でしょうか?365日なのになぜ108回を意味するのでしょうか?

月の数である12と、1年を24の季節に分ける二十四節気の24、1年を72の季節に分ける七十二候(しちじゅうにこう)の72の3つの和が108であるという説があります。

12(月の数)+24(二十四節気)+72(七十二候)=108

七十二候とは、昔の中国で考えられた季節を表す方法のことです。このように除夜の鐘の108回は1年を表しているという説があります。

3.四苦八苦の語呂合わせ

除夜の鐘を鳴らす理由として、「四苦八苦」を取り払うためという説もあります。

4(四)×9(九)+8(八)×9(九)=108

このように四苦八苦を取り除くために除夜の鐘を鳴らすということになりますが、意味的には四苦八苦という煩悩の一種を鐘をついて消していくということなので、1番と似たような意味になりますね。

ちなみに鐘の周りについている突起を見たことはありますか?あの突起は「乳(ち)」と呼ばれ、この乳の数も108個あるのだそうです。このように見ると、108という数には実に深い意味があることがわかります。

今のところ1番の煩悩の意味で解釈している人が多いようですね。では次に、除夜の鐘の意味を詳しく見てみましょう。

除夜の鐘の意味は?

除夜の鐘とは何でしょうか?まず「除夜」の「除」には、古いものを捨て、新しいものを迎えるという意味があります。なので「古い年から新しい年に移り変わる」ということを表します。また、除の日(除日)は大晦日を表すので、除日の夜は除夜ということで除夜と言われるようになりました。

また、鐘についてはどうでしょうか?除夜の鐘は大晦日の夜につかれる鐘のことを指していますね。寺院では除夜の鐘以外にも、朝と夕方のお知らせや法要の開始を知らせる時などに鐘がつかれています。そもそもなぜ大晦日に鐘をつくのでしょうか?

それはやはり仏教と深い関係があり、仏教では「煩悩を祓うことにより解脱し、悟りを開くことができる」とされているため、通常の日は修行を積んだお坊さんが煩悩を消すために鐘をついているのです。

このように普段は寺院のお坊さんが鳴らす鐘ですが、大晦日だけは修行を積んでいない一般の人も鐘をつくことで「苦しみや悩みを断ち切って、ご利益を受けることができる」と言われています。そのため除夜の鐘が大晦日の行事として広まったというわけです。

108回の回数が人の煩悩を意味しているならば、この除夜の鐘をつくことで煩悩を一つ一つ消していくと考えられます。いずれにしても除夜の鐘を鳴らすことで、今年1年の苦しみや悩みを取り除き、新しい年を迎えるということが言えますね。

子供向けにわかりやすく説明すると?

除夜の鐘を子供に説明する時に難しいのは「108回つく」という部分。ただ、解釈が色々あって明確ではないので、子どもの年齢やどのくらい理解できるかによりますが、この部分は特に詳しく説明しなくてもいいと思われます。

子供向けに説明する時のポイントは、除夜の鐘はなぜ鳴らされるのかという意味を伝えること

では除夜の鐘についてわかりやすく説明する方法をQ&A形式で載せていきます。

  • 除夜の鐘って何?
    除夜の鐘は、大晦日の夜に深夜0時をはさんでつく、お寺にある大きな鐘の音のことだよ。
  • なんで大晦日に除夜の鐘を鳴らすの?
    除夜の除っていうのは古いものを捨てて、新しいものを手に入れるって意味。だから除夜の鐘を鳴らしたら、今年の古い気持ちや悪かったことを捨てて、新しい年をいい気持ちで迎えようって意味が込められてるんだ。だから大晦日に鳴らすんだよ。
  • 鐘を鳴らすと何で良くなるの?
    鐘の音や名前の意味に、きれいにするっていう意味があるから、自分の中にある悩みや苦しい気持ちを消すために鐘をつくんだよ。
  • 煩悩って何かを知りたい
    例えばゲームしたい、もっとお菓子食べたい、おもちゃがほしい…っていうもっと何かをしたいけどできない苦しい気持ちが煩悩の一つだよ。

このような感じで伝えてみてはいかがでしょうか?ぜひ除夜の鐘の意味を知って、煩悩を消すという意味を込めて除夜の鐘をついてみれば、新年にはきちんと今年の煩悩が祓われ、ご利益があるかもしれないですよ。

除夜の鐘をつく時間は何時から?

除夜の鐘が始まる時間については、各寺院によって異なり、参拝者が実際に鐘を鳴らせるところもあれば、寺院の僧侶のみや寺院の会員限定というところもあるので、事前に参拝するところは参拝者でも鐘をつけるのか確認しましょう。

東京にある寺院を例に、大体どのくらいの時間から鐘が鳴らせるのか、また参拝者は鐘をつけるのかなどを調べてみました。

東京築地本願寺

  • 開催日:2019年12月31日(火)
  • 時間:23時~の法要後
  • 一般参加:一般参加可
  • 鐘つき料:無料
  • 鐘をつける人の数:法要参拝者のみ(法要前に整理券配付)
  • URL:https://tsukijihongwanji.jp/

浅草寺

  • 開催日:2020年1月1日(水・祝)
  • 時間:0時~
  • 一般参加:一般参加不可/百八会の会員のみ
  • URL:http://www.senso-ji.jp/

♦大本山増上寺鐘楼堂

  • 開催日:2020年1月1日(水・祝)
  • 時間:0時~
  • 一般参加:一般参加可
    2019年12月1日9時~発売の鐘つきチケットが必要(販売枚数は少数)
  • 鐘つき料:有料(事前発売の鐘つきチケットが必要)
  • 鐘をつける人の数:若干名
  • URL:http://www.zojoji.or.jp/

♦法名寺

  • 開催日:2020年1月1日(水・祝)
  • 時間:0時~1時30分頃
  • 一般参加:一般参加可/数人づつで合計108回つく
  • 鐘つき料:無料

善福寺

  • 開催期間:2019年12月31日(火)~2020年1月1日(水・祝)
  • 時間:23時45分頃~人の流れにより閉門
  • 一般参加:一般参加可
  • 鐘つき料:無料
  • 鐘をつける人の数:人数制限なし
  • URL:http://www.azabu-san.or.jp/

このように東京内の5つの寺院を調べましたが、開催時間や回数、鐘つき料などはお寺によって実に様々!でも除夜の鐘はだいたい23時からという所と、新年明けて0時からという所で別れているようですね。除夜の鐘に参加する時は事前にお寺を調べてから行ってくださいね。

また、除夜の鐘をつく時には以下のような作法があるので、忘れずに行ってくださいね。

  1. 手を合わせて一礼する
  2. 鐘をつく
  3. 手を合わせて一礼
    *必ず本堂を参拝する前に鐘をつくこと!

除夜の鐘はただつくだけではなかったんですね。今年の煩悩をお祓いする儀式のようなものですから、お寺を参拝する時同様、作法を守って気持ちのいい新年を迎えたいものですね。

除夜の鐘まとめ

以上、除夜の鐘の回数は107回なのか、意味は何で時間は何時からつくのかを子供向けに解説しましたが、いかがでしたか?

除夜の鐘は年に1度大晦日に見られる日本独特の風習ですよね?108個の煩悩とありますが、個人的には苦しみの数を数えるよりは、この1年の感謝の気持ちを数えることに意識を向けた方が、もっと前向きな気持ちになれていいのではなかなと感じています。

ぜひ子供が興味を持ったら、除夜の鐘の意味をわかりやすく教えてあげて、機会があったら一緒に除夜の鐘をつきに行ってみてくださいね。


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