うるう年はいつからなぜあるのか?誕生日はいつ祝って戸籍はどうなる?

4年おきにやってくる「うるう年」っていつから始まり、なぜあるのでしょうか?先人が苦労して完成させた現在の暦にはどんな理由や意味があったのでしょうか?

またうるう年の2月29日が誕生日の人は、それ以外の年はいつ祝うのでしょうか?また戸籍上はどうなるのか、現在住んでいる韓国と比較してうるう年について詳しく紹介します!

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うるう年について

うるう年とは、4年に1度やってくる2月29日のある年。漢字では「閏年」と書きます。それ以外の年は「平年」と言い、2月は28日までとなっていますね。なぜこのようになったのでしょうか、カレンダーって不思議ですよね?うるう年がいつから始まったのかから紹介していきます。

いつから始まったのか?

毎日見ているカレンダーは、「グレゴリオ暦」と言うものが使われています。「うるう年」というものが始まったのは、紀元前45年のローマ皇帝ユリウス・カエサルが定めた「ユリウス暦」。ユリウス・カエサルはこの時7月を自分の名前「Julius」としました。

現在のグレゴリオ暦の原型となるユリウス暦では、初めてうるう年が採用されました。うるう年は4年に1度で2月に1日を追加しました。なぜ2月だったのかというと、古代ローマでは1年の始まりが3月からであったため、年末である2月に1日を追加し調整したというわけです。

ところが、ユリウス暦は4年ごとにうるう年を規則的に採用したため、1年が平均365.25日となり、約128年に1日の割合で暦と季節にずれが生じるという問題がありました。なぜ問題が生じたのかというと、ユリウス暦の1年と実際に地球が太陽の周りを回るのにかかる時間(太陽年)がぴったり同じではなかったからです。(以下で詳しく説明)

そこで1582年、ローマ・カトリック教皇グレゴリウス13世によって修正され現在の形「グレゴリオ暦」という最終形になったのです。ではうるう年がなぜあるのか、うるう年の仕組みを詳しく見ていきます。

なぜうるう年があるのか?

そもそもユリウス暦もグレゴリオ暦も太陽暦の一種で、地球が太陽の周りを回る周期をもとにして作られた暦です。ユリウス暦で生じるずれをいかにして実際の地球の公転周期に近づけられるかを追求し修正したものがグレゴリオ暦です。

  • 地球の公転周期(地球が太陽の周りを1周する時間)=365.242189572
  •  ユリウス暦
    • 1年は365日
    • 4年に1度366日(うるう年)
    • 1年平均約365.25日
  • グレゴリオ暦
    • 1年は365日
    • 4年に1度366日(うるう年)
    • 1年平均約365.2425日

1年は365日とよく言いますが、上記のように地球の公転周期は365日より少し長いのです。なので毎年365日を繰り返していると大きなずれが生まれ、やがて暦と季節がずれてしまいます。そのためにうるう年を作り調整したということです。

しかし、ユリウス暦の4年に1度で固定してしまうと約128年に1日の割合でずれることがわかり、4年に1度のうるう年ではだめだということになったのです。そこでグレゴリオ暦では以下のルールが加わったことで、ユリウス暦よりぐっと公転周期に近づけられました。

グレゴリオ暦のうるう年の条件

  • 西暦年が4で割り切れる→うるう年
  • 西暦年が100で割り切れる→平年
  • 西暦年が400で割り切れる→うるう年
  • よってうるう年は400年に97回

現実に1900年はうるう年ではなく、そして2100年、2200年なども平年。これで1年の平均日数が365.2425日となり、地球の公転周期の長さ365.242189572日と近い長さなので、しばらくこのままでも大丈夫であると考えられています。

グレゴリオ暦のうるう年では、この誤差による暦と季節とのずれは約3320年で1日ということです。このように、うるう年はグレコリオ暦と地球の公転周期のずれを調整するためにあるものなのです。

日本ではいつから?

日本では明治6年である1873年に、当時財政難であった明治政府によって強引にグレゴリオ暦が導入されました。しかし当時慌てて採用したためグレゴリオ暦の大事なうるう年の条件の部分が抜け落ちていました。その後1898年に修正され現在のグレゴリオ暦となっています。

それまでは、月の満ち欠けを基準として1月の長さを決める天保暦(太陰太陽暦)というものが使われていました。

天保暦にもうるう年があり、約19年に7回の1年が13ヶ月になる年がありました。どういうことかというと、この天保暦は1か月が「30日」か「29日」であるため、これを12か月繰り返して1年とすると地球が太陽を1周する日数(実際の1年)より約11日間短くなってしまいます。

そこで約3年に1度、「閏月」という1年が13ヶ月となる年を設けて、暦と季節の関係を調整しました。日本ではこのような天保暦を1872年まで使っていたということです。

ちなみにお隣韓国では?

韓国も現在グレゴリオ暦を使っていますが、旧暦(天保暦と似た太陰暦)が日常生活の行事などで自然に使われています。韓国語でうるう年は「윤년(ユンニョン:閏年)」と言います。「윤달(ユンダル)」は「閏月」で2月、「윤일(ユニル)」は「閏日」のことで2月29日を指します。

韓国で新暦(グレゴリオ暦)が採用されたのは、実は日本の統治が始まる1910年以前の1895年でした。しかし旧暦が日常生活に大きく浸透している中で、新暦はあまり知られず1910年から日本統治によって強制的に旧暦が消されました。

しかし韓国人の中では旧暦に愛着があることから、解放後も正月などの行事を旧暦に戻そうという動きが起こります。その後正月(ソルラル/설날)やお盆(チュソク/추석)が旧暦での公認行事になって現在に至っています。

うるう年が誕生日だったら

うるう年の2月29日にちょうど生まれた人が、平年ではいつが誕生日になるかは国によって異なります。イギリスや香港では3月1日、ニュージーランドでは2月28日というように各国の事情や考え方によって変わります。日本ではどのようにしているのでしょうか?

戸籍はどうなる?平年はいつ祝う?

まず、2月29日生まれの人は、戸籍法上、2月29日生まれとして記載されます。しかし2月29日がない平年では毎年2月28日24時に年を取ることが法律で決められています。(Wikipedia満年齢年齢計算ニ関スル法律参照)。ということは平年は3月1日生まれという扱いになりますね。

また、誕生日を基準とした行政手続に限り「みなし誕生日」を2月28日としています。これはあくまでも誕生日によって有効期間や更新期間を定めているものに対してみなされる誕生日です。そのため、日常生活では強制されません。

うるう年以外の平年の誕生日は、2月28日にしても3月1日に祝ってもどちらでもいいのです。誕生日を選べるのは、2月29日に生まれた人の特権かもしれませんね!

韓国でのうるう年事情

私は現在韓国在住で、韓国人の旦那と2人の子供と暮らしています。韓国に住み始めて、いや韓国人の旦那と付き合い始めてまず理解できなかったのは、旧暦という考え方。誕生日の日付や年齢の数え方が違うため何度も揉めました。

先ほども紹介したように、韓国では正月(ソルラル/설날)やお盆(チュソク/추석)を太陰暦である旧暦で行うため、この旧暦が韓国文化の一部として深く残っています。そのため中年以上の方の誕生日も旧暦の日付で祝うことが多いのです。

なんと今でも役所に誕生日を旧暦の日付で登録する人がいるのです。なぜ新暦になった現在でも、誕生日を旧暦で登録するのでしょうか?韓国では旧暦はごく自然な生活の一部であるということです。固定された新暦で生まれ育った私が、そのことを理解するには時間がかかりました。

また、誕生日を旧暦で登録する理由は、旧暦で生活している人にとって、新暦で誕生日を登録したら毎回誕生日を新暦から旧暦の日付を調べないといけないし、毎年誕生日の日付が変わってしまい厄介だからです。

ちなみに私の義母がなんと2月29日生まれ!しかもこの日付は新暦ではなく旧暦の日付。そのため、義母が生まれた時の2月29日は、新暦では違う日付だったのでしょう。平年の誕生日は「3月1日(旧暦)」で祝っています。

さらにややこしいのは、義母が旧暦派のため、韓国人の旦那も誕生日は毎年旧暦の日付で祝っているということです。しかし、戸籍上の誕生日が新暦で登録しているため、毎年いつだ?と調べています。

韓国に移住して10年以上になりますが、最初は旧暦の固定されていない考えに訳がわからず、その日は一体いつなんだ?という戸惑いや葛藤のようなものを感じていました。しかし今では変わらず規則的にやってくる新暦とは違い、旧暦は自然により密着していて季節ごとの変化をより敏感に感じられるので風情だなとも思います。

うるう年のまとめ

以上、うるう年はいつからなぜあるのか、もし2月29日が誕生日だったらいつ祝うのか、戸籍はどうなるのかを、韓国在住の体験談も交えてお伝えしました。

  • うるう年は紀元前45年にローマ皇帝ユリウス・カエサルが定めた「ユリウス暦」から始まった
  • うるう年はグレコリオ暦と地球の公転周期のずれを調整するためにある
  • 日本では明治6年(1873年)から導入、韓国では1895年から
  • 2月29日生まれの人は、戸籍上も2月29日生まれとして記載
  • 平年では毎年2月28日24時に年を取ることが決められている
  • 誕生日を基準とした行政手続に限り2月28日を誕生日としてみなす
  • 日常生活において平年の誕生日は2月28日・3月1日のどちらかを選択できる

うるう年というと4年に1度と固定されているものだと思っていましたが、厳密に言うとそうではなかったんですね。しばらくは4年に1度やってくる2月29日。特別なうるう年、あなたはどのように過ごしますか?

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