韓国からレジ袋が消える!韓国のエコ化とゴミ分別事情。

スーパーで買い物する時エコバックを持って行っていますか?日本のスーパーではビニールのレジ袋をもらえるところが多いですよね。またエコバックを利用すると何円か割引になったり、お金を払ってレジ袋を買うところもありますね。

韓国はというと、年々レジ袋をただで貰えるところは減ってきています。特に韓国は使い捨てのプラスティック容器のゴミが多く、以前から問題となっているため政府が対策を強化しています。

そこで今回は韓国旅行や長期滞在で戸惑わないよう韓国で実施されているエコ対策とゴミ分別事情について詳しく紹介したいと思います!


韓国でエコバックが習慣化する

2019年4月から韓国では50坪(165.29㎡)以上の店舗でのレジ袋の提供が法律によって禁止されています。そのため、大型のスーパーや百貨店ではレジ袋の使用自体が禁止されており、近所にあるような小さめのスーパーやコンビニで買い物をしてもレジ袋はただで貰えなくなりました。

昨年までは百貨店でもレジ袋を50₩(約5円)程払えば貰えたのですが、全面的に禁止になったことにより、あらゆる面でエコ化が進むようになりました。特にビニールを使った商品包装が最低限のビニールだけの使用になったり紙製に変わっていたり、宅配の包装もプチプチが新聞紙になっていたりと以前より簡易になったなと感じます。

昨年韓国ではスタバのストローが紙製のストローになり話題になりました。同時にカフェやファストフード店の店内ではプラスチック容器の使用が禁止となりました。

韓国スターバックスでは2018年9月からストローが紙製に。なんと50分間、紙ストローをスムージーにつけていてもふにゃふにゃにならなかった。意外と丈夫!

そもそもなぜ韓国でこんなにエコ化が急速しているのか?それは2017年に中国が海外からのゴミの輸入を禁止したことによります。日本やアメリカにも影響しているように韓国でも、国内に積もったゴミの山を処理するのに困っているからです。特に韓国ではプラスティックやビニールゴミが多い国として以前から問題となっていたため、政府がプラスティックゴミを減らすよう対策を強化しているのです。

そのため、最近ではあちこちでエコ関係のイベントを目にするようになり、エコがちょっとしたブームになってます。

スーパーで買い物する時は?

スーパーに行ってうっかりエコバックを忘れたという時もありますよね?そんな時はレジで有料の袋やエコバックを買ったりレンタルしたりすることができます。どんな袋があるのかというと、

  • 紙袋(종이백チョンイベッ)
  • 布製のエコバック(장바구니/쇼핑백チャンバグニ/ショッピンベッ)
  • 地区指定の再利用ゴミ袋(종량제 봉투チョンニャンジェボントゥ)

まず韓国を代表するイーマート、ロッテマート、ホームプラスなどの大型スーパーでは、以前無料でもらえた紙袋がなくなりました。お店によっては有料で買えるところもまだあるようですが今後紙袋を提供する店も少なくなっていくと思われます。

そのため、最近スーパーでは2つ目の「エコバック」か3つ目の「地区指定の再利用ゴミ袋」のどちらかを利用することが多くなっています。

大型スーパーの布製エコバックは、他の国にもあるようにそのお店のロゴなどが描かれた布製のバックです。サイズが大小あり小サイズだと500₩~1,000₩(約40~90円)、大サイズは3000₩(約265円)です。会計時にエコバックを買う旨を伝えれば、買った品物と一緒に計算してくれます。

イーマートのエコバック小サイズ500₩。普段の買い物はこのサイズがちょうどよい。大サイズはこれの3倍くらいの量が入る大きさ。

またスーパーで買ったエコバックが必要なくなった場合は、各スーパーの顧客センターに返却すると、エコバックの料金を返金してくれます。なのでエコバックを忘れたらレンタルするつもりで気軽に利用してみてもいいですし、気に入ったらそのまま使えばいいと思います。

3つ目の「地区指定の再利用ゴミ袋」とは、その名の通り家庭でゴミを出す時に使う地区指定のゴミ袋です。買ったものをこのゴミ袋に入れて持ち帰り、家ではゴミ袋に使うということです。

価格は各地区、袋のサイズによって異なりますが、2019年8月現在20ℓサイズでソウルだと490₩(約44円)、プサンだと680₩(約60円)です。ちなみに私が住んでいるプサンが韓国全国でゴミ袋が1番高いです。1番安い地域と2倍以上も差があるのでびっくりしました。

韓国でゴミを出す時には、このゴミ袋に入れないと回収してくれないので、結局は買わなければならないものですし、価格もスーパーで買っても他の店で買っても同じです。そのため、エコバックが無い時はこのゴミ袋を買って利用している人が多いです。

スーパーのレジへ会計に行くと、店員さんはいつもこう言います。

「ボントゥ ピリョハセヨ~?(袋必要ですか?)」

「ネー(はい)」「アニョ(いいえ)」で答えます。もし必要だと答えたら、大体「地区指定の再利用ゴミ袋20ℓ」のものをくれます。10ℓのサイズもあるのでどちらがいいのか聞かれるかもしれません。

またスーパーには商品を運搬時に使用した空き箱がたくさんあるので、買った商品を持って帰るのに空き箱を無料で使うこともできます。空き箱は大体会計後の商品を詰めるスペースに置いてあります。そこに設置されている梱包用のテープや紐を使って自分で商品を箱に詰めて持ち帰ることができます。

市場や小売店などで買い物すると

2019年4月からは、レジ袋や安価なビニール袋の使用規制は50坪(165.29㎡)以上の店舗が対象となっています。そのため、対象でない小規模のスーパーや市場の店、コンビニ、薬局、パン屋などでは有料でレジ袋(ビニール袋)をもらえます。価格は大体20₩(約2円)~50₩(約5円)です。

しかし、小さなスーパーやコンビニなどでは、レジ袋に無料で商品を入れてくれるところもまだあります。お店側からすると、競合が多い中レジ袋代を請求したらもうお客は来てくれないのではないかと考えているからです。

ビニール袋の消費が多い所と言ったら、韓国の市場(재래시장ジェレシジャン)があげられます。現在市場ではビニール袋の規制がされていないため市場でも規制するよう国民たちが訴えています。下の写真は韓国の市場の様子。

市場ではお客が買った品物を、吊るしてあるビニール袋に入れてくれる。以前は黒いビニール袋が多かったが、最近は色んな色のビニール袋を使うようになった。

市場で売られている果物や野菜などは包装されておらず、豆腐や肉など液体が漏れるものも多いため、それぞれの店で買うごとにいつもビニール袋に入れられます。一度市場に行って野菜や果物を買ってくると、ビニール袋を沢山もらってきてしまうのでそのままゴミになってしまいます。

私は日本から韓国に来たばかりの頃、市場で使っている真っ黒なビニール袋にすごく違和感を感じていました。なぜなら、食材を入れるのに色が黒でゴミ袋っぽいからです。韓国の方からしたら黒いビニール袋は当たり前に使っているものなんですけどね。エコ化が進みこの袋が無くなったら、一体どう変わるのかが気になります。

市場やコンビニなどの小売店では、大型スーパーのように大量買いする人が少ないためエコバックは持参していない人も多く、どうしてもビニール袋に入れる方が便利なので使用がなかなかやめられないというのが現状です。

そんな中最近韓国でレジ袋に変わる新しいビニール袋が開発されました。見た目は今までのレジ袋と変わりませんが、材質の60%が再生資源でできていてレジ袋と強度的にも同等でコストも安いそうです。

さらに2020年にはまたもや法律が変わり、政府が認証した環境にやさしい素材以外のビニール袋の使用が一切禁止になります。今後市場や小売店では上の写真のような政府に認証を受けたビニール袋が使用されるだろうと予想されています。そのため今はその移行時期と言えるのかもしれません。

いずれはどこのお店でもエコバックなどを持参するか、有料のレジ袋(環境に配慮した素材でできた袋)または指定のゴミ袋を買って買い物するのが当たり前になるのだと思われます。

韓国のゴミ分別は意外と面倒!

エコ対策と切っても切り離せないのがゴミ。日本でも自治体によってゴミの分別や収集に違いがありますよね?住んでみると韓国も意外とゴミ分別が細かくて面倒なのです。また住宅かマンションに住んでいるかなどによっても、ゴミの出し方が変わってくるので引っ越した時は一番戸惑います。

韓国のゴミ回収は深夜から明け方?!

ソウルに住み始めて驚いたのは、ゴミを出す時間が夜の6時から12時と決まっていて、ゴミ収集車が来るのは人通りが少なくなる深夜から明け方であるということでした。当時私はビラ(日本のアパートのような住宅)に住んでいたため、ゴミは指定のゴミ袋に入れてゴミ捨て場ではなく住宅の前に置くという決まりでした。

ゴミを出す場所が道端のため、ゴミを出すのは人や車の行き来が少なくなる夜でないといけないとのことでした。また、地区によって一般ゴミ、生ゴミ、プラスティックなどの回収曜日が決められていて、その日以外に他のゴミを置くと回収されず、そのゴミは次の回収日までずっと放置されていました。

なので韓国では、住宅などに住んでいる場合は、決められた曜日に決められたゴミを指定のゴミ袋に入れて、夜に出す必要があります。

一方アパート(日本でいうマンション)では、アパートの敷地内に設置されている各ゴミ箱に、いつでも捨てられるという点がとても便利です。アパートの管理人さんが常にゴミを整理し管理しているため、ゴミ捨てに関してはすごく楽です。細かい決まりは地域やアパートによって変わってくるので、引っ越した際に確認する必要があります。

アパート敷地内にあるゴミ箱。左からビニール類(透明/一般)、缶類、プラスティック、ペットボトル、ヤクルト瓶類、発泡スチロール、ガラス類、ビン類と並んでいて、結構細かい!

日本では燃えるゴミ燃えないゴミというようにありますが、韓国ではリサイクル可能かどうかで分別しています。韓国では、例えば歯ブラシなどの異素材が付いていてリサイクルできないプラスティックなどは、一般ゴミに入れて一緒に捨てます。食材でもリサイクルできないものは一般ゴミとして処理します。

一般ゴミの指定ゴミ袋。左は10ℓ、右は20ℓ。袋にはゴミを回収する曜日や時間、決まりなどが書かれている。持ち手は無く、点線のところまでゴミがいっぱいになったら結んで指定場所に捨てる。

上の写真はコンビニや市場で手に入る家庭用の指定ゴミ袋ですが、スーパーでエコバックの代わりに買える指定ゴミ袋は上の画像の袋とは異なり、色が付いていて持ち手があるため商品を入れて持ち歩きやすいように作られています。

韓国でゴミ分別をしていて思いますが、そもそも日本の商品と比べると、ペットボトルのラベルが剥がしにくく、プラスティック容器やビニールゴミは韓国料理特有の赤いたれやソースがべったりとついていて、きれいに捨てるのが難しいという点があります。今後は韓国で商品を生産する段階からリサイクルすることを考えた商品を増やしてほしいですね。

生ゴミの排出量も多い韓国

韓国では世界の中で生ゴミも多いということも問題になっています。なぜ多いのかというと、韓国では食べ切れなくてもテーブルいっぱいにおかずやキムチを何種類も出して食事をする習慣があるので、食べ残しも多いからです。それに、日本よりも野菜や果物をたくさん食べていると感じられるため生ゴミが多くなるのかなとも思います。

生ゴミ問題が盛んになるのは、韓国のお盆である秋夕や旧正月のソルラルという時期です。お供えのためにたくさんの料理を作り親戚が集まって食事をします。その際に食べ物などの贈り物も贈り合うため、プラスティックや包装紙などのゴミも沢山出るのです。

その時期には沢山の料理を振舞う分食べ残しも多くなります。またお供え用に作った料理も食べなければそのまま生ゴミになってしまう場合が多いです。こういった連休時期には余った食材のアレンジ方法や余るほど作らないようになどの呼びかけが、テレビで特集されていて生ゴミを増やさないよう促しています。

では韓国では生ゴミをどう処理するのでしょう?韓国で生ゴミを捨てる方法は2つです!他のゴミと同じく住んでいる場所によって捨て方が変わります。

  • 単独住宅(一軒家、ビラなど)→地区指定の生ゴミ袋に入れて捨てる
    地区指定の生ごみ専用のゴミ袋を買い、水気を切った生ごみを袋に入れて、決められた曜日・時間に家の前に出す。

    2ℓの生ゴミ専用の地区指定ゴミ袋。このサイズは4人家族でもいっぱいにするまで4,5日かかった。

    指定の生ゴミ袋は黄色い袋の所が多いです。サイズは1ℓ、2ℓ、3ℓ、5ℓ、10ℓがあります。1人暮らしが増え需要が増えた1ℓサイズの価格は、ソウルだと1枚100₩(約9円)、2ℓは1枚190₩(約17円)です。コンビニやスーパー、市場などで買うことができます。

  • 共同住宅(アパート、マンション)→専用容器に捨てる
    アパート敷地内に生ごみを捨てる専用容器または機械があるので、水気を切った生ごみを直接その容器に入れる。

    アパートの生ゴミ専用処理機。

    各家庭に配られている専用ICカードをタッチすると、容器のふたが開きます。生ゴミを直接入れると、生ゴミの重量がアナウンスされます。この機器では、排出した生ゴミの料金は管理費と一緒に払う仕組みとなっています。地域やアパートによっては交通用ICカードでその場で支払いできる機器もあります。

アパートでは生ゴミ専用のゴミ袋には入れず、このような生ゴミ処理機械に直接投入します。指定生ゴミの袋に入れる方法だと、生ゴミが袋いっぱいになるまで捨てられず、特に夏場は悪臭や虫が集って管理に苦労しました。しかし専用機器に捨てる方法だと、いつでも捨てられるのでそのような悩みが無くなり便利だなと感じています。

生ゴミの分別方法

韓国では回収された生ごみは、動物の飼料や植物の堆肥になります。そのため、生ごみとして出せるものは動物が食べられるものを基準にして分別しています。私は生ゴミを捨てる度にこれ何ゴミだろう?とわからなくなるので、以下に生ゴミに捨てちゃダメなものをまとめてみました。

種類 食材
果物 パイナップルなどの硬い皮、桃・柿・マンゴー・アボカドなどの硬い種
野菜 ネギ・セリなどの臭いが強い野菜の根っこ、唐辛子などの香辛料や塩が付いた野菜、玉ねぎ・にんにく・トウモロコシなどの皮
ナッツ類 胡桃、栗、ピーナッツ、ココナッツなどの硬い殻や皮
肉類 動物の毛と骨
魚介類 貝、サザエ、アワビ、ハイガイ、ホヤ貝、カキ、カニなどの殻
ふぐの内蔵
かす ティーパック、漢方のかす、コーヒーのかす、卵の殻

これらのゴミは全て一般ゴミに捨てます。スイカやカボチャなどの大きな野菜や果物は、迷いどころですが細かく刻んで生ゴミと一緒に捨てられます。

私は昔卵の殻を生ゴミに入れてしまっていましたが、実は一般ゴミということを知り焦りました。生ゴミを減らそうと思うと、皮が多く出るバナナやみかんなどを食べるのをなんとなく躊躇してしまいますね。

しかし皮には栄養があるということで、最近は農薬を使っていない人参やりんごを買って皮ごと食べることもあります。皮を剥かずに洗うだけで食べられるので、ゴミも出ず栄養も摂れていいですよ。

衣類や家電製品はどこに捨てる?

いらなくなった衣類を回収するボックス

韓国の住宅地を歩いていると、150㎝くらいの高さのこんな箱見かけませんか?これは「의류수거함(衣類収集箱)」です。ここでも何を入れてよくて何がダメなのか迷います。地域によって差はありますが、大体以下のようになっています。

箱に入れられるもの〇 箱に入れてはダメなもの×
衣類、下着類、靴、ぬいぐるみ、鞄、ひざ掛け、毛布、カーテン、カーペット 電気カーペット、スーツケース、枕、座布団、クッション、布団類、長靴、ブーツ、大きなぬいぐるみ、ローラースケート

この衣類収集箱に入れられるものは、収集口に入るもので、カーペットなどは折りたたんで入れられますが、中綿など入っている布団は入れられません。では箱に入れてはダメなものを捨てたいときはどうすればいいのか?

1番簡単な方法は、100ℓくらいの大きな地区指定ゴミ袋を買ってきて一般ゴミに捨てる方法です。大きな指定ゴミ袋はコンビニやスーパーで買うことができます。状態が良いものであれば、知人に譲ったり、フリマに出したり、中古サイトに出す方法もあります。

また、家電製品でしたら無料で引き取りに来てくれるサービスがあります。こちらのサイトで各品目を確認できます。→廃家電製品排出予約システム

また電池や電球類は一般ゴミに入れてはいけませんよ。住宅地の道端や役所(ドンサムソ)などの近くに専用の収集ボックスがあるのでそちらに分別して入れてくださいね。

まとめ

韓国のエコ化とゴミ分別についてご紹介しましたが、いかがでしたか?韓国では自国で処理しきれないゴミ問題に本格的に向き合い、対処しなければいけない時が来たのだと感じます。数年前からエコ関係のイベントや活動を目にするようになってきましたが、だんだん韓国の中でエコに対する認識が強くなってきているなと実感しています。

そういえば日本は外出先で出したゴミは持ち帰るのがマナーとなっていますよね。久々に日本に帰国すると忘れていて、外出先でゴミ箱を探し回ってしまいますが、やはり見つからず結局家まで持ち帰るはめになります。

韓国では外を少し歩けば案外とゴミ箱を見つけることができ、外出先で出たゴミは設置してあるゴミ箱に捨てて帰ります。日本でのようにゴミを一日中持ち歩いて過ごすことはあまりありません。その点韓国は日本より便利かもしれないですが、外出先で簡単にゴミを捨てられるからこそ、無責任にすぐゴミを作ってしまうというところもあるかもしれません。

今後韓国ではプラスティックやビニールの生産・消費を減らしていき、政府が認証したリサイクルしやすい製品に移行していくと考えられます。これ以上「ゴミ韓国」と言われる日が来ないよう、韓国は今エコ化に奔走しています。


コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました